はじめに......
2015年、固定価格買取制度(FIT)の買取価格の引き下げや出力制御ルールの変更にともない、これまで以上に太陽光発電システムの効率的な管理やコントロールが求められる中、太陽光発電システムにおけるモニタリングの役割が再注目されています。
「なぜ、モニタリングが再注目されているのか?」 「モニタリングってそんなに重要?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、太陽光発電システムにおけるモニタリングの役割、その有効性とともにモニタリングが再注目されている背景についてご紹介いたします!!
そもそも、モニタリングとは?
様々な分野で耳にする「モニタリング」。言葉自体は聞いたことがあったとしても、その定義や内容については、意外とあいまいな方が多いのではないでしょうか。この章では、「モニタリング」の基本的な定義や流れについて解説いたします。
「モニタリング」は「計測」や「観察」「監視」などその時々の目的により様々な言葉で解説されますが、基本的には、
「数値や信号などのデータを計測し、目的に応じた情報として加工し表示すること」と定義づけられます。
モニタリングの全体的な流れですが、まず対象となる数値や信号などのデータを計測機器やセンサーなどを使用し「計測」します。続いて「表示」となりますが、計測されたデータをそのまま表示するわけではありません。計測されたデータは単なる数値の羅列や信号、記号にすぎないため「分類する」「換算する」「単位をつける」「言語化する」「アイコン化する」など、見る人にとって意味のある情報として加工する必要があります。
つまり、モニタリングとは「計測、表示」の両輪がそろって初めて機能するシステムなのです。また「計測」はいかに効率よくデータを取得するか「表示」はどのように伝えるのかが重要であり、これらの要素はモニタリングの質に大きく関係します。
▼基本的なモニタリングの定義
太陽光発電におけるモニタリングの役割と有効性とは?
モニタリングの定義が明確になったところで本題です。
太陽光発電においてモニタリングはどのような役割を担っているのでしょうか。
モニタリングの定義に当てはめて考えてみましょう。「何を計測するのか」「何を目的として情報を表示するのか」に着目すると、太陽光発電におけるモニタリングの役割は
「太陽光発電システムに関連するデータを計測し、正常にシステムが稼働しているかを判断するための情報を表示すること」だと言えます。
人は健康を維持するために、日々血圧を計り定期的に健康診断を行い体の状態を把握します。同様に、太陽光発電システムを適切な状態を保つために、モニタリングによる日々の監視管理や定期点検が必要となります。
また、モニタリングには計測範囲等によって大きく4つの段階があり、その有効性も様々です。
それぞれの段階とその有効性について解説いたします。
▼モニタリングの4つの段階
太陽光発電システムにおけるモニタリングの重要性の高まり
モニタリングの役割が再注目される背景には、太陽光発電システムの運用に関わる仕組みの変化や周辺ビジネスシーンでのモニタリングの重要性の高まりがあります。それぞれのシーンでのモニタリングの役割についてご紹介いたします。
まとめ
最後に、今回のコラムの要点をまとめます。
- 1.そもそもモニタリングとは?
- 数値や信号などのデータを計測し、目的に応じた情報として加工し表示することです。
- 2.太陽光発電におけるモニタリングの役割と有効性とは?
- 役割:太陽光発電システムに関連するデータを計測し、正常にシステムが稼働しているかを判断するための情報を表示することです。
- 有効性:計測範囲ごとに4つのモニタリングの段階があり、各段階により様々な有効性があります。
- 3.太陽光発電におけるモニタリングの役割が再注目される背景とは?
- 出力制御、蓄電池との連携、電力自由化、O&Mビジネスなど、太陽光発電システムの運用に関わる仕組みの変化や周辺ビジネスシーンでモニタリングの重要性が高まったことにより、その役割が再注目されています。
第1回のコラムはモニタリングの定義を中心にお届けいたしました。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。